霊犬蒙迷科(霊犬マウンミークー) (7)

  
 
 私と弟がこれに笑ったのはいうまでもない。

 マウンミークーは私たちの気配をよく読んでいた。私たちがフーフーを可愛がっているのを見ると、フーフーのいたずらにも付き合ってやり、なにがあってもじっと辛抱していて、フーフーに咬み返すということがないのであった。それを感じ取ったフーフーも、いい気になってからかい続けていたが、それからしばらくすると、彼らは共に打ち解けて暮らすようになった。

 フーフーはマウンミークーの背中に飛び乗り、そのまま部屋の中を行ったり来たりしている様子は、何か手品でも見ているような感じであった。

 その後さらに父がフーフーに喫煙を教えたため、フーフーはすっかり芸達者になっていった。

 弟はフーフーの顔にサングラスを掛け、たばこをくわえさせ、そのままマウンミークーの上に乗せた。そのまま彼らが部屋の中を動き回ると、この滑稽さは頂点に達した。

 いつもこんなふうに楽しそうに過ごしている私たちを見た父は、
「マウンミークーがじっと耐えて辛抱するような犬でなかったら、日々の苦しさで押し潰されてしまうところだ」

と、嬉しそうに言った。

 実際、父の毎日は大変辛いものだった。翡翠の原石を掘ってなんとか今の情況をなんとか切り抜けるというのも、実におぼろげな計画に過ぎないからだった。八年十年と掘り続けても、高値で売れる翡翠が見つからないなどというのはよくあることだった。だが、さほど価値のない原石を掘り出したところで、それは日々の糧に消えていく程度の金にしかならないのであった。仮にそうした苦労は諦めて甘受するとしても、ビルマ政府軍がひっきりなしに攻撃してくる心配をしなければならないし、カチン族ゲリラが難癖を付けてきて「徴税」していくこともいつも気に掛けていなければならなかったのだ。

 だが……。


霊犬蒙迷科(霊犬マウンミークー)(8)へ続く


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