五個攢錢罐 五つの貯金箱 (2)



 五匹のうち、大きいものは約二十数キロはあった。それ以外の四匹は、それぞれ、少しずつ小さくなっていく。最も小さいものは最近乳離れしたばかりで、体長も箸よりちょっと長いぐらいであった。家にはまだ養豚用の囲いがないので、この子たちを縄でつないで、横にヘチマが植えてある大木に繋いでおくことにした。

 私達の家の裏手にあるトウモロコシ畑には、いろいろな雑草も生えていた。私はお隣さんがちょくちょくこうした雑草を摘んでいっては、豚に食べさせているのを見かけたことがある。私はちょうど二歳になった娘を連れ、買い物かごを下げて、そのトウモロコシ畑へ行ってかごに何杯もの雑草を摘むと、家に持ち帰って細かく刻んで鍋で煮込んだ。だが、あいにく我が家には糠がなく、これでは豚の食欲が湧かない恐れがあったので、茶碗数杯の米を混ぜてやった。

 豚のお食事は出来上がった。それは黒黒としていて、正直まともに見られたものではない。味がないのではないかという懸念もあった。なので私は塩と化学調味料を振りかけた。うちわで扇いで熱を冷まし、五匹の豚様のところへ持って行って、お召し上がりいただいた。

 豚様たちは、今日一日、ずっと山道を歩かされてきたためか、胃腸が逆さまになるほど腹を空かせていたようであった。大急ぎで下顎を動かして奪い合うかのように貪り食うさまは痛快でさえあった。

 私と娘はその豚たちの傍らに立ち、その大喜びで食べる様子を見て、内心非常に心地よかったのであった。話によれば、食いっぷりのよい豚はすなわち、飼育する価値のあるよい豚であるとのことだった。この様子を見る限り、この豚たちは、きっとよい豚であるに違いない。

 ちょうどその時、夫の楊林がものすごい勢いで駆け込んできた。家の敷地に飛び込んで来るなり、大声で罵った。「お前は腹いっぱい食うだけでは飽きたらず、まだわざわざ面倒を起こす気か、いい加減、おれの迷惑も考えたらどうだ!」

 答えるのも面倒なので、聞こえないふりをした。この手の人間は、どんなことであっても一度は反対しないと気が済まないものなのだ。だが、こちらが自分の考えをしっかり持って、そのとおり続けていれば、結局はいかんともしがたく、手も足も出せないまま、ただその事実を受け入れざるを得ないことになるのだ。

 一方、五匹の豚たちは盥に何杯もの餌を平らげた上、朝までその盥の底を舐め続け、それでもまだ足りないのか、盥をひっくり返していた。それぞれ、満腹で腹の皮が丸く膨らんでいる。そして木に寄り添ったまま、気持ちよさそうに低い声で唸っている。私達の家もいよいよ賑やかになってきたようであった。


(3)へ続く


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