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霊犬蒙迷科(霊犬マウンミークー) (6)

 
  
 一段落して、父がまた言った。

「もしこいつがいなければと思うとな。結末は想像したくないな」

 こうしたことがあってから、私たちはマウンミークーをさらに信頼するようになったのだ。

 それから半年が過ぎた。マウンミークーは一回り大きく成長した。全身の毛は長く伸び、肉付きもいい。耳は狼のようにぴんと立っていないし、狼のように人を怖がらせるような風貌もない。だが、それはそれで独特の凛とした勇ましい表情をしていた。

 そして、我が家にフーフーがやってきてからというもの、私たちが住むこの竹の掘っ立て小屋はさらに賑やかになっていった。

 フーフーとは、父がカチン族に金を払って譲ってもらった一匹の小猿である。フーフーの両手はものすごく長く、その毛は白と黄色の波模様。マカク類に属していると思われる。

 この猿はとても賢く、また良く人になついた。我が家に来てから間もない頃、試しに鎖を外してみたが、それでも逃げようとしなかったほどだ。

 また、いたずら好きでもあって、いつもマウンミークーを掴むというやり方でちょっかいを出すのだが、私たちはその様子を見てはいつも大笑いしていた。

 フーフーのいたずらは、いつもマウンミークーが居眠りをしている隙を窺って、そっと近付いていって尻尾を引っ張るというものであった。マウンミークーが牙を剝いてうなり声を上げると、フーフーはさっと身を翻して梁の上に逃げてしまう。そしてまたマウンミークーの居眠りが始まって、眼を閉じるのをじっと待ち、また梁の上から下りてきて尻尾を引っ張り、マウンミークーが怒って吠え返すと、フーフーはまた梁の上に逃げるといった具合であった。

 だがマウンミークーもさすがにただのバカ犬ではない。こうしたいたずらに何度も晒されているうちに、報復の妙手を思いついたのであった。

 例によって、フーフーがまたしても、マウンミークーをからかって相手にしてもらおうとしている。そしていつものように尻尾を引っ張りにいったが、その間マウンミークーはじっと堪えて無反応を装っていた。フーフーは尻尾を掴みながらじわじわと進み、そのままいつの間にかマウンミークーの背によじ登ってしまっていた。

 マウンミークーは、フーフーが得意絶頂となってすっかり油断している時を狙って、いきなり後ろをぐいと振り向き、背中のフーフーに猛然と咬みついた。

 フーフーは肝を潰して梁の上に逃げ事なきを得たのだが、フーフーの顔には驚きと恐怖が入り交じった表情が浮かび、二つの小さな瞳はマウンミークーを見つめている。


霊犬蒙迷科(霊犬マウンミークー)(7)へ続く


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