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霊犬蒙迷科(霊犬マウンミークー) (5)

  
 
 家に戻ってから、この顛末を父に話すと、

「もしこいつでなければ、ややこしいことになってたな。私たちには血清の準備もないし、こんなところでムカデに咬まれたら、手の施しようがない」

と、マウンミークーの背をポンポンと叩きながら、父はそう言ったのであった。

 また、こんなこともあった。私たちは森へキノコを採りに行き、父は雨季に備えて薪を切りに行ったときのことを話そう。

 夜遅く帰って来て、そろそろ我が家が近くなってきたとき、マウンミークーが我が家の入り口に向かって大声で吠え立てている。私たちはこうした経験があるため、さすがに家に入っていく気がしなかった。

 だが弟はわりと度胸がある方であった。彼は扉を開けて中を覗いて、特に異状が見受けられないとわかるとそのまま扉を押し開けながら言った。

「おい、このバカ犬。なんでそんなにぎゃんぎゃん吠えるんだ?中はなんでもないじゃんか!」

 しかし私はまだ安心できずに弟に言った。

「ねえ。マウンミークーは無駄に吠えたりしないわ。あなた、もう一度ちゃんと家の中をよく見てみるのよ」

 弟はあらためて家の隅々を見回したが、面倒くさくなったのであろうか。

「本当になにもないってば。気にしすぎだよ!」

そう言いながら、籠をおろしてサンダルを履き替えた。

 それでも私はまだ、家の中に入るのを躊躇っていた。

 弟が竹のベッドに腰を下ろしたと同時に、マウンミークーがやのようにすっ飛んでいき、ベッドの上に向かって吠え立てた。

 ベッドの上を見ると、毛布はちゃんとたたまれておらず、無造作に放り投げてあるだけであった。私は恐る恐る声を出して弟に言った。

「ねえ、ベッドの上に何かありそうよ……」

「そんなのあるもんか!」

弟は威勢がよかった。そして、その無造作に放り投げてある毛布をさっとどかしたそのとき……。

 なんということだ!毛布の舌には碗ほどの太さのニシキヘビがとぐろを巻いている。ニシキヘビはすっと頭を持ち上げて、赤紫色の舌をぺろぺろと伸ばしたり引っ込めたりさせているところで、これにはさすがに胆が凍った。

 弟は毛布を投げ捨てて入り口の方へ一目散に駆けた。私たち姉妹はこれには魂が消し飛ぶほど驚かされた。父を呼びにすっ飛んで行った。




霊犬蒙迷科(霊犬マウンミークー)(6)へ続く




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中国語で書かれた作品から、北タイやビルマ(ミャンマー)シャン州、黄金の三角地帯(ゴールデントライアングル)の歴史や風物を読み解いていきます。
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